防水工事の豆知識

防水塗料の種類【水性・油性】と下地の選び方!3つの仕上げ方法とは

防水塗料の種類【水性・油性】と下地の選び方!3つの仕上げ方法とは

防水塗料を選ぶときには、塗料そのものの性能だけでなく、外壁との相性も考えて選びましょう。防水塗料のなかには外壁と相性が悪い種類もあり、選び方を間違えると塗料の持つ効果や強みがうまく発揮されないからです。

防水塗料と呼ばれる塗料は、一般的には「弾性塗料」という防水性能の高い塗料を指します。建物は地面起こる微細な振動などにさらされたり、天候により壁面の温度が変化したりしているため、外壁も日々膨張・伸縮を繰り返しています。

固い材質の塗料だと、そのような膨張・伸縮に対応できずにヒビが入ってしまうことがありますが、弾性のある塗料は伸縮に強いためヒビ割れしにくく、防水性が高いのです。

この記事では防水塗料の選びかたから、下地となる壁の種類や3種類の塗装方法、費用相場についてもわかりやすくご紹介します。防水塗装をしようとお考えの方は、自分で作業できるのかどうかなど、施工計画を立てる際の参考にしてみてください。

防水塗料の種類【水性・油性】

防水塗料(弾性塗料)には、水性塗料と油性塗料の2種類がありますが、現在一般的に使われるのは「高品質の水性塗料」です。

防水塗料には、雨水などの水分が建物や素材の内側に染み込むのを防ぐ役割があります。とくに木材などの場合、水分が染み込むとそのぶん腐敗が進みやすくなり、早く脆くなってしまうのです。その表面を、水に強い塗料で覆うことで、水に直接触れないようにさせることができます。

使いたい場所によって、2種類の塗料を使い分けてみましょう。

■水性塗料
しっかり乾けば水にも強い塗料で、あまりニオイがせず価格も安めなのが特長です。人間の健康や環境にも悪影響を及ぼしにくいこともあり、近年は防水塗料のなかでもとくによく使われる種類です。塗料の溶剤に水が使われているため、この名前で呼ばれています。高品質のものであれば耐久性も十分なので、現在は多くの場面で用いられています。

■油性塗料
油性塗料は、水性塗料よりも密着性が高く、すでにある設備にじかに塗り付けられるため水性塗料を使うよりも工程を省略できるのが強みです。2種類の液体(主剤・硬化剤)を混ぜて使用する「2液型」タイプが多いです。

油性のニスやペンキなどをうすめられる「ペイントうすめ液」と呼ばれる液体が溶剤に使われています。劣化が進んでしまった箇所に使うのにおすすめです。

防水塗料と相性の「よい・悪い」外壁の種類

防水塗料(弾性塗料)には、外壁の種類によって相性がよいものと悪いものがあります。それを判別するには、まずは外壁にどのような種類があるのか知りましょう。

■相性がよい外壁:モルタル外壁
モルタルはセメント・石灰などを混ぜて作った固い壁で、乾燥にとても弱く収縮も起こるため、ヒビ割れしやすい特徴があります。古い建物の壁によく使われている種類で、固いぶん伸縮性がなく、壊れやすいです。小さなヒビを放っておくと、経年劣化でどんどんと破損がひどくなっていくことも多いので、塗料で早めに対処しましょう。

■相性が悪い外壁:サイディング
サイディング(窯業系サイディングボード)の壁と弾性塗料の相性が悪い理由は、サイディングの長所が塗料の長所を台無しにしてしまうことです。サイディングの壁は断熱性が高いため、夏になると太陽の熱で表面温度が非常に高くなります。

そこに塗られた弾性塗料は、壁の高温に耐えられずに劣化して、水ぶくれのようなぶくぶくとした見た目になってしまうことも少なくないのです。

防水塗料を塗るのにオススメな場所

防水塗料(弾性塗料)を塗るのにおすすめなのは、次のような場所です。

  • ・屋上の壁や床
  • ・屋根
  • ・ベランダの床

雨にさらされやすい場所に防水塗料を塗ることによって、その場所の耐水性を高められるばかりでなく、ヒビなどから建物の内側に水分が入り込まないように処置をすることができるのです。塗られている塗装が劣化してきている場合は、できるだけ早く防水工事をおこないましょう。

防水塗料に最適な下地の選び方

防水塗料に最適な下地の選び方

防水塗料(弾性塗料)に最適な下地を選ぶ際のポイントは、「シーラー」「フィラー」の2点があります。どちらも防水塗料を壁に塗る際の下地を作る塗料で、上から塗る塗料が下の素材によくくっつくようにする働きがあります。

■シーラー
シーラーは壁や屋根などに塗装をするとき、はじめに塗る「下塗り」のための材料です。シーラーの上に塗る中塗り・上塗りに使用する塗装剤には密着性はないので、はじめにシーラーを塗ることで密着性をおぎないます。通常は、素材の表面に1回だけ塗ります。

もしも、塗装を塗りたい場所に傷みがある場合は、シーラーは二重に塗ります(二度塗り)。そうすることで、傷んだ場所にシーラーを吸収させることができ、上塗りの塗料をきれいに塗ることができます。

シーラーはプライマーと呼ばれることもあります。塗り方や素材によってシーラーとプライマーを呼び分ける人もいますが、厳密には明確な違いはありません。

■フィラー
フィラーは、塗装する下地をなめらかにならすために塗る、粘土のような材質の塗料です。一番よく使われるのは、シーラーとフィラーの長所を組み合わせた「微弾性フィラー」です。フィラーを塗装するときは、砂骨ローラーというスポンジのようなローラーに、フィラーをたっぷり染み込ませて塗っていきます。

フィラーを塗ることで塗装の下地の軽微な段差やデコボコ、モルタル外壁に起こる髪の毛程度のヒビ割れ(ヘアクラック)などを埋めることができます。

防水塗料の仕上げ方は3種類!

防水塗料(弾性塗料)の塗り方には「単層弾性仕上げ」「複層弾性仕上げ」「微弾性塗料仕上げ」の3つの種類があります。上塗り・下塗りと、場合によっては中塗りもおこないますが、塗料を塗る工程は1日で済ませなくてはいけません。使う塗料によってそれぞれどの方法で仕上げたらよいのかが変わるので、よく心得ておきましょう。

1.単層弾性仕上げ

単層弾性仕上げは、下塗りと上塗りだけをおこなう方法です。戸建て住宅の壁などに一般的に使われる手法です。

  1. 1.塗装をしたい素材の表面にシーラーを1回下塗りする
  2. 2.下塗りの上に、2~3回上塗りをする

2.複層弾性仕上げ

複層弾性仕上げは工場など、特別念入りに防水工事をする場合に使われる手法で、一般的な住宅に使われることはほとんどありません。単層弾性仕上げとは異なり、下塗りと上塗りの間に「中塗り」の工程を加えます。

中塗りが加わるぶん、塗った部分の層(塗膜)に厚みが生まれるので、元の素材と表面をより遠ざけることができ、防水性能が高くなります。一方で、工程が増えると材料費・人件費ともに膨らむため、工事費用は高めです。

  1. 1.塗装をしたい素材の表面にシーラーを1回下塗りする
  2. 2.その上に、2回中塗りをする
  3. 3.その上に、2~3回上塗りをする

3.微弾性塗料仕上げ

微弾性塗料仕上げでは、工程の数は複層弾性仕上げよりも少ないですが、下塗りで用いる塗料が異なります。ここで使うのは、微弾性フィラーという、伸縮性と粘度の高い塗料です。下塗りを厚めにして、上塗りは少し薄くする意識で塗ると成功しやすくなります。

  1. 1.塗装をしたい素材の表面に微弾性フィラーを塗る
  2. 2.その上に、上塗りを2回おこなう

この方法では、塗装したい素材の表面に小さなヒビ割れがある場合でも、ヒビ割れに対処しながら施工ができるので安心です。

防水塗料による塗装はDIYでできる?

防水塗料による塗装はDIYでできる?

防水塗料は通信販売などで簡単に手に入れることができますが、その一方でDIYを成功させるためには技術が必要です。とくに、大掛かりな塗装では、前章で紹介したような複雑な工程で塗装する必要も出てくるので、塗装に不慣れな方が自分でおこなうのは難しいといえます。

自分でおこないたいという方は、一度業者に依頼して見積りをとり、業者に施工を依頼するとどのくらいの金額になるのかを調べてみましょう。ご自分でのDIYの成功率と、業者に頼んだときの金額を天秤にかけて、対処方法をご検討されることをおすすめします。

防水工事にかかる費用の相場

防水工事にかかる費用は、工事の種類によって異なります。ここからは、メジャーな4種類の工事の費用と内容についてまとめます。1平方メートルあたりの相場とともにご紹介するので、施工予定地の広さと一緒に計算して、工事費用におおよその目測をつけてみましょう。

■塩ビシート防水:約2,100~7,500円(1平方メートルあたり)
耐用年数は12~15年ほどで、塩化ビニール樹脂製の防水シートを設置する工法です。屋上の床に灰色のシートを貼る場合が多いです。防水シートにはさまざまな色やデザインのものがあるため、ベランダなどにも用いられることが多いです。

■ウレタン防水:約2,500~7,000円(1平方メートルあたり)
耐用年数は10~13年ほどの、補修の防水工事の際に最もよく使われる工法です。乾燥にかかる時間は長めなので、人通りの多い場所の工事には向きません。しかし、工材は液体状なので、複雑な形状でも施工がしやすいというメリットがあります。

■FRP防水:約4,000~7,500円(1平方メートルあたり)
耐用年数は10~15年ほど、繊維強化プラスチックを使った工法です。軽いうえに、傷みにくい素材です。素材を選べば、建物の壁など外観と同じ色にすることもでき、見栄えよく仕上げる工法のひとつです。ベランダやバルコニーなど、人の行き来が多く、外からも見えやすい場所によく使われます。

■アスファルト防水:約5,500~8,000円(1平方メートルあたり)
耐用年数は12~20年ほどのアスファルト防水は、新しく家を建てるときの防水工事のほとんどに使われる工法です。昔からメジャーな工法なので、普及度が高く、施工の技術がある程度確立されているため工事の品質が高いのが特徴です。

ただし、熱したアスファルトを使用するため、施工中に煙や臭いが発生するので、近隣の迷惑になるおそれがあります。

まとめ

防水塗料(弾性塗料)にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が違います。大切なのは、まず防水塗装をしようとしている壁がどのような種類か(防水塗料と相性が悪くないか)を確かめ、どのような工事をしたいかを決めることです。

費用の相場ももちろんですが、人通りが多い場所には向かないものがあるなど、施工の場所によって適切な工法もある程度決まるので、事前知識をつけておきましょう。

しかし実際は、普段防水工事に慣れていない人がDIYをおこなって、完璧に作業を終えられる可能性は高くないでしょう。いくら通信販売で材料が手に入るとはいえ、完璧な作業をするためには豊富な知識と職人の技が必要なのです。

もしも自分で作業をおこなう自信がなかったり、失敗せずしっかりと作業を終わらせたいと少しでも思っていたりする場合は、防水工事のプロに依頼しましょう。普段防水工事をなりわいとしている人の力を借りて、ご自分の希望に合った美しくて強い塗装をしてもらうのが安心です。

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